軌道分解

$ \newcommand{\SETL}{\bigl\{} \newcommand{\SETM}{\bigm|} \newcommand{\SETR}{\bigr\}} \newcommand{\NATURAL}{{\mathbb N}} \newcommand{\REAL}{{\mathbb R}} \newcommand{\PRIME}{{\mathbb P}} \newcommand{\COMPLEX}{{\mathbb C}} \newcommand{\ZEE}{{\mathbb Z}} \newcommand{\QUE}{{\mathbb Q}} \newcommand{\LAND}{\,\land\,} \newcommand{\LOR}{\,\lor\,} \newcommand{\LNOT}{\lnot} $


群$G$が集合$X$に作用しているとき、集合$X$上の同値関係$\sim$を以下のように定義する。
$$
x \sim y \Longleftrightarrow \text{$g\cdot x = y$を満たす、群$G$の元$g$が存在する}
$$

関係$\sim$が同値関係であることを証明する。

(反射律)群$G$の元として単位元$e$を選べば、
集合$X$の任意の元$X$について$e\cdot x = x$であるから、$x \sim x$が成り立つ。
(対称律)集合$X$の任意の二元$x,y$について、$g\cdot x = y$ならば$g^{-1}\cdot y = x$であるから、
$x \sim y$ならば$y \sim x$が成り立つ。
(推移律)$g_1\cdot x = y$かつ$g_2\cdot y = z$ならば、$(g_2g_1)\cdot x = g_2\cdot (g_1\cdot x) = g_2\cdot y = z$であるから、
$x \sim y$かつ$y \sim z$ならば$x \sim z$が成り立つ。

(証明終わり)

※反射律は単位元の存在に、対称律は逆元の存在に、そして推移律は演算として閉じていることに対応している。

集合$X$を同値関係$\sim$で割り、同値類に分けたとき、同値類と軌道とは一対一に対応する。


Tweet

『数学ガール』作者。毎週火曜日は結城メルマガ。毎週金曜日はWeb連載「数学ガールの秘密ノート」。文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。

— 結城浩 (@hyuki) 2015年5月17日