1/nの確率で当たるクジをn回引いたときに一度も当たらない確率の極限は1/e

$ \newcommand{\SETL}{\bigl\{} \newcommand{\SETM}{\bigm|} \newcommand{\SETR}{\bigr\}} \newcommand{\NATURAL}{{\mathbb N}} \newcommand{\REAL}{{\mathbb R}} \newcommand{\PRIME}{{\mathbb P}} \newcommand{\COMPLEX}{{\mathbb C}} \newcommand{\ZEE}{{\mathbb Z}} \newcommand{\QUE}{{\mathbb Q}} \newcommand{\LAND}{\,\land\,} \newcommand{\LOR}{\,\lor\,} \newcommand{\LNOT}{\lnot} $


$\frac{1}{n}$の確率で当たるクジを$n$回引いたとする($n = 1,2,3,\ldots$)。
そのとき、一度も当たらない確率$P(n)$は、
$$
P(n) = \left(1 - \frac{1}{n}\right)^n
$$
で求められる。

ところで、
$$
\left(1 - \frac{1}{n} \right)^n = \frac{1}{\left(1 + \frac{1}{n-1}\right)^n}
$$
であるから、自然対数の底を$e$として、
$$
\lim_{n \to \infty} P(n) = \frac{1}{e}
$$
となる。

ではここで問題です。自然対数の底$e$は、
$$
e = \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n
$$
で定義されています。ところが上の式では、
$$
e = \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n - 1}\right)^n
$$
を使っています。
$$
\lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n
=
\lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n - 1}\right)^n
$$
は、ほんとうに成り立つのでしょうか。成り立つならば、それはなぜ?


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『数学ガール』作者。毎週火曜日は結城メルマガ。毎週金曜日はWeb連載「数学ガールの秘密ノート」。文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。

— 結城浩 (@hyuki) 2015年5月17日